特定技能

特定技能の登録支援機関とは?役割や支援内容を解説

高野国際行政書士事務所/外国人材紹介エージェント Global Village
代表 高野 大輔(たかの だいすけ)

商社とメーカーで海外営業15年を経て、地元茨城県で国際行政書士として起業。人手不足という地域課題を解決するべく、茨城特定技能サポートセンターを運営。外国人実習雇用士。

高野 

在留資格「特定技能」を持つ外国人の採用を考えている方であれば「登録支援機関」というワードを聞いたことがある人も多いでしょう。これから外国人を労働者として雇っていくことを考えている場合、「登録支援機関」を活用していくことができると、採用が上手くいく可能性が上がります。

今回は「登録支援機関」とは何か、また役割や支援内容について解説していきます。

特定技能ビザの要件を事前に確認しておきたい方は、以下記事も併せてご確認ください。

特定技能ビザの要件とは?外国人を雇う前に知っておきたい知識

特定技能にかかわる登録支援機関とは?

「登録支援機関」とは、外国人労働者が特定技能の活動にスムーズに入れるよう、支援計画の作成や指導、実施を行っている機関となります。

「登録支援機関」として登録できる対象団体は、支援の体制が整っている業界団体や民間法人、社労士や司法書士などの専門家などがあげられます。

「登録支援機関」の活動は、「特定技能所属機関」からの委託を受けて行われます。

「特定技能所属機関」とは、外国人労働者と直接雇用契約を結ぶことのできる企業や団体を指し、受け入れ企業(機関)と呼ばれることもあります。

登録支援機関の役割は?

「登録支援機関」は「特定技能所属機関」の申請業務や支援体制の整備などのサポートを行います。

特定技能外国人を受け入れたいという企業は多数あるのですが、手続きや申請書類など専門的な知識を要するケースが多いです。そのため、特定技能所属機関が自分たちで支援を全て行うことが困難となる場合もあります。

その場合に「登録支援機関」へ委託を行い、特定技能外国人を雇用するために必要な支援計画書の作成等を任せるといった関係性が成り立ちます。

特定技能外国人の受け入れに向けて、非常に重要な役割となるため、当然のことですが専門家として最大限のサポートが求められます。また四半期に一回の支援状況の報告義務や、行政機関へ適切な支援を行っているかどうかの報告義務があります。

登録支援機関の支援内容は?

登録支援機関が行う支援には「義務的支援」と「任意的支援」の2種類があります。
「義務的支援」はその名の通り必ず実施する義務がある支援のことをいいます。「義務的支援」には以下の10の項目があります。

(1)事前ガイダンス

特定技能外国人に対して、事前ガイダンスとして業務内容や報酬、労働条件等の各説明を行う義務があります。

(2)出入国の際の送迎

特定技能外国人が入国する際に、「上陸手続きを受ける港または飛行場」「特定技能所属機関の事業所または当該特定技能外国人の住居」の2か所間の送迎が義務づけられます。また出国する際にも「出国手続きを受ける港もしくは飛行場」への送迎を行います。

(3)住居確保・生活に必要な契約支援

特定技能外国人の住居について、住居探しや情報探しの補助、ライフラインに関する手続き、通信手段の手続きなどを支援する義務があります。

(4)生活オリエンテーションの実施

特定技能外国人に対して、生活に関わるオリエンテーションを行う義務があります。生活ルールや交通・医療機関の利用方法、災害時の対処方法などが当てはまります。

(5)公的手続きへの同行

必要に応じて住居地・社会保障・税金などの手続きへの同行、必要書類の作成補助などを行います。

(6)日本語学習機会の提供

特定技能外国人に対して、日常の業務や生活に困らないレベルの学習機会の提供が義務付けられています。

(7)相談又は苦情への対応

特定技能外国人から相談や苦情があった場合に、適切な支援や回答を行う義務があります。また相談できる機会の提供や、相談記録書への記入、状況報告なども義務付けられます。

(8)日本人との交流促進

特定技能外国人が日本人と交流する機会を提供するための支援を行う義務があります。

(9)転職支援

特定技能所属機関の都合により、特定技能外国人との雇用契約を解除せざるを得ない場合に、転職活動の支援を行う義務があります。次の受け入れ先を探すサポートや公共職業安定所への案内、就職先のあっせん等を指します。

(10)定期的な面談の実施、行政機関への通報

特定技能外国人との面談を「3か月に1回」以上行う義務があります。また面談後に「1号特定技能外国人用及び監督者用の定期面談報告書」を作成することも義務付けられています。

また「任意的支援」といった、義務ではありませんができる限り行うことを求められる支援として以下の7つがあげられます。

(1)「出国する際の送迎」に係る任意的支援
(2)「適切な住居の確保に係る支援・適切な住居の確保にかかる支援」に係る任意的支援
(3)「生活オリエンテーションの実施」に係る任意的支援
(4)「日本語学習の機会の提供」に係る任意的支援
(5)「相談又は苦情への対応」に係る任意的支援
(6)「日本人との交流促進に係る支援」に係る任意的支援
(7)「定期的な面談の実施、行政機関への通報」に係る任意的支援

登録支援機関を選ぶときのポイント

委託する登録支援機関を決める際には、いくつか確認しておくべきポイントが3つあります。

  • 対応可能言語は何か
  • 委託費用は予算内に収まるか
  • 所在地はどこにあるか

必要な条件や費用等をあらかじめ考えておくことが重要です。

それぞれ解説します。

対応可能言語をチェックする

登録支援機関にはそれぞれ対応可能な言語があります。義務的支援の中に「外国人が理解できる言語での支援」という項目がありましたが、雇用した外国人の言語で登録支援機関が対応できないとなると、この要件を満たすことができなくなります。
そのため契約前に必ず対応可能言語をチェックするようにしましょう。

委託費用は予算内に収まるか

登録支援機関へ依頼する委託費用は、依頼する内容や雇用人数によって異なります。

そのため実際に検討している登録支援機関に連絡をして、費用についての説明を受けることをおすすめします。

また、複数の機関を比較検討するとよいでしょう。

所在地はどこにあるか

登録支援機関の所在地がどこにあるのかを事前に確認しておきましょう。

ポイントはできるだけ近いところから選ぶことです。登録支援機関の所在地が自社と離れすぎていると、素早い対応や支援が困難となる場合があります。
最近ではリモートでのやり取りも主流となってきましたが、直接会う必要があるケースも少なくありません。

できるだけ自社と近い住所にある登録支援機関を選びましょう。

特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託したら費用はいくらかかる?

特定技能外国人の雇用をするために発生する費用は3つです。

  1. 特定技能外国人本人に支払う費用
  2. 人材紹介料・送出機関に支払う費用
  3. 登録支援機関への委託にかかる費用

雇用時に発生する「給与」の支払いなどはもちろんですが、特定技能外国人へ法律で定められたサポートを行う必要があります。

このサポートを登録支援機関へ依頼する場合は、継続的な費用が発生する傾向にあるので事前に確認しておくと良いでしょう。

費用について以下の記事で詳しく記載しておりますので併せてご確認ください。

特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託したら費用はどのくらい?

登録支援機関の登録を受けるための基準

登録支援機関として認定されるためには6つの基準を満たしている必要があります。

  1. ①支援責任者及び1名以上の支援担当者を選任している
  2. ②次の4点のうちのいずれかに該当する
    ・個人であれ団体であれ、2年以内に中長期在留者の受け入れ実績がある
    ・登録支援機関になろうとする個人または団体が、2年以内に報酬を得る目的で、業として、外国人に関する各種相談業務に従事した経験を有する
    ・選任された支援担当者が、過去5年間に2年以上中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有する
    ・上記のほか、登録支援機関になろうとする個人又は団体が、これらと同程度に、支援業務を適正に実施できると認められている
  3. ③1年以内に責めに帰すべき事由により特定技能外国人又は技能実習生の行方不明者を発生させていない
  4. ④支援の費用を直接又は間接的に外国人本人に負担させない
  5. ⑤刑罰法令違反による罰則(5年以内に出入国又は労働に関する法令により罰せられたなど)を受けていない
  6. ⑥5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し著しく不正又は不当な行為を行なっていない

登録支援機関の登録を受けるためには、「機関として適切であるか」「特定技能外国人を支援する体制であるか」といったことが求められます。そのためいくつかの基準が設けられており、これらをクリアすることで登録支援機関としての認定を受けることができるのです。

特定技能外国人の採用で悩んだら専門家に相談を

開設したように特定技能外国人を雇用する際には、専門的な知識が必要不可欠となります。
委託をせずに申請を進めることもできるのですが、少しのミスで申請ができなかったり、規約違反となってしまうケースも少なくはありません。
登録支援機関に委託するべきか迷ったら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

特定技能外国人を雇用前に確認しておいてほしいことを以下の記事でまとめましたで併せてご確認ください。

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