特定技能
特定技能ビザの申請方法について│必要書類や費用などのポイントについても解説
2021.07.26
2021.09.02
高野国際行政書士事務所/外国人材紹介エージェント Global Village
代表 高野 大輔(たかの だいすけ)
商社とメーカーで海外営業15年を経て、地元茨城県で国際行政書士として起業。人手不足という地域課題を解決するべく、茨城特定技能サポートセンターを運営。外国人実習雇用士。
今回は特定技能ビザの申請方法とその流れについて解説します。
特定技能ビザの申請には、申請書類の準備やそれらを行政書士などの専門家に依頼する際の費用が必要となります。正しい手順で余裕をもって事前準備することで、スムーズに申請を行うことができますので、特定技能ビザの申請を考えている方はぜひご確認ください。
目次
特定技能ビザとは?
特定技能ビザとは、日本で働くことを考えている外国人の受け入れを促進するために、2019年4月に新設されたビザのことです。近年深刻化している日本の労働力不足が課題としてあげられており、即戦力となる労働者として外国人の受け入れを促進したい、という背景があります。
これまで就労ビザの取得ができなかった職種でも、特定技能ビザの制定により外国人労働者の受け入れが可能となりました。従来よりも幅広い分野において、外国人労働者が活躍できるようになったのです。
また、特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。この2つの違いは、取得のために必要な要件が異なることや、受け入れが可能な職業分野が異なる点などがあります。
特定技能ビザ申請における事前準備
特定技能ビザの申請に必要な準備について解説します。
(1)必要書類の準備について
まずは必要となる書類の準備を行います。必要書類は出入国在留管理庁が運営している特定技能総合支援サイトへアクセスし、ダウンロードすることで入手できます。必要書類の提出先は地方出入国在留管理局となっています。
主な提出書類は以下の内容となります。必要書類の数が多く、できる限り余裕をもって準備することが大切です。また、必要な書類については随時更新されていく可能性がありますので、常に最新の情報を入手できるようにしてください。
- 在留資格認定証明書交付申請書 / 在留資格変更許可申請書
- 特定技能所属機関の概要書
- 登記事項証明書(法人の場合) / 住民票の写し(個人事業主の場合)
- 役員の住民票の写し(法人の場合)
- 決算文書(損益計算書及び貸借対照表)の写し(直近2事業年度)
- 特定技能所属機関に係る労働保険に関する資料
- 特定技能所属機関に係る社会保険に関する資料
- 特定技能所属機関に係る納税に関する資料
- 特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し
- 特定技能雇用契約に関する重要事項説明書
- 特定技能外国人の報酬額が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であることの説明書
- 入国前に仲介業者等に支払った費用等を明らかにする文書
- 技能試験に係る合格証明書 / 技能検定3級等の実技試験合格証明書等
- 日本語能力試験に係る合格証明書 / 技能検定3級等の実技試験合格証明書等
- 特定技能外国人の健康診断書
- 支援計画書
- 支援委託契約書(登録支援機関に委託する場合)
- 支援責任者の履歴書,就任承諾書,支援業務に係る誓約書の写し(支援を自ら行う場合)
- 支援担当者の履歴書,就任承諾書,支援業務に係る誓約書の写し(支援を自ら行う場合)
上記以外にも、業種や分野によって必要となる書類が追加されることがあります。詳細については、特定技能総合支援サイトにてご確認ください。
(2)必要書類の作成について
必要書類の作成は各書類の項目を参照に、早めに作成しておくようにしましょう。特定技能ビザは審査期間が1~2ヶ月かかることもあるため、時間に余裕をもって申請することが大切です。
もし作成方法や書類に関しての不明点がある、自分では時間が無くて作成できないなどの課題があるようであれば、行政書士などの専門機関に相談してみてもよいでしょう。
特定技能ビザ申請や取得における費用相場(行政書士に依頼する場合)
特定技能ビザの申請を行政書士に依頼した場合の費用相場について解説します。特定技能ビザの申請費用として、認定申請について行政書士に依頼した場合の費用相場は15万円前後となることが多くなっています。
参考までに、特定技能ビザ以外の就労ビザの費用相場が10万円程度の事務所が多いため、特定技能ビザの申請費用は、比較的高い方と言えます。これは特定技能ビザの申請書類が多く、行政書士の工数が多く取られるためと考えています。
特定技能ビザを取得するときの流れについて
次に特定技能ビザを取得するときの流れについて説明します。
(1)地方出入国在留管理局に提出
外国人が日本での就職や家族との生活を目的に、日本に長期滞在したい場合、在留資格認定証明書の交付を出入国在留管理庁に申請する必要があります。
(2)地方出入国在留管理局の審査
特定技能ビザだけではなく、長期滞在を申請する場合は在留資格認定証明書の交付が必要となり、申請後に後審査が行われるという流れです。申請から証明書の発行までの期間は早くて1週間程度で済む場合もありますが、申請が込み合う時期などは2週間以上要する場合もあります。
(3)審査通過後、在留資格認定証明書が交付される
地方出入国在留管理局の審査が通ると在留資格認定証明書が交付され、在留資格認定証明書を取得することができます。在留資格認定証明書は郵送で返送されます。
(4)特定技能ビザを取得
特定技能ビザが発行されたら、日本への入国準備を進めます。居住地の決定から14日以内に在留カード、またはパスポートを持参し、住民登録申請の手続きを行います。転入届は居住地の市町村役場に提出します。
これらの手続きに不備があると、再枠の場合在留資格が取り消されてしまう場合もあるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
特定技能ビザを取得するときの注意点
特定技能ビザの申請に関する要件は、出入国在留管理庁のホームページなどからも確認ができますが、実際の職業分野や環境によって、事前に想定していなかったケースに直面する可能性も考えられます。
特定技能ビザの申請後に、条件に合致していなかったことが判明するケースもあります。事前にホームページで確認を行うことももちろん大切ですが、少しでも不明な点がある場合は、その分野や該当箇所の専門機関に問い合わせてみるのも一つの手です。
申請後に不備が発覚した場合、書類の再作成などに大きく工数を取られてしまうこともあります。申請をスムーズに行いたい場合は、行政書士などの専門家に相談・依頼を行ってもよいでしょう。